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Figma MCPでデザインとコード開発を統合する完全ガイド - AI時代の新しいワークフロー

Figma MCPを使ってClaude CodeやCursorなどのAIツールとFigmaを連携させる方法を解説。デザインシステムから直接コードを生成する実践的な設定手順とベストプラクティスを紹介します。

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技術記事
実践的

この記事のポイント

Figma MCPを使ってClaude CodeやCursorなどのAIツールとFigmaを連携させる方法を解説。デザインシステムから直接コードを生成する実践的な設定手順とベストプラクティスを紹介します。

この記事では、実践的なアプローチで技術的な課題を解決する方法を詳しく解説します。具体的なコード例とともに、ベストプラクティスを学ぶことができます。

要約

Figma MCPは、FigmaのデザインデータをAI開発ツールに直接提供し、デザインに忠実なコードを自動生成できる革新的な統合機能です。本記事では、Claude CodeやCursorなどのAIツールでFigma MCPを設定し、デザインからコードへの変換プロセスを効率化する完全手順を解説します。

読者が得られる知識:

  • Figma MCPの仕組みと利点の理解
  • Claude CodeやCursorでの設定手順
  • デザインシステムとコード生成の最適化方法
  • 実践的な活用例とベストプラクティス

想定読者レベル: 中級 所要時間: 12分

目次

  1. Figma MCPとは何か
  2. MCPアーキテクチャの理解
  3. 環境準備と前提条件
  4. Figma MCPの設定手順
  5. 実践的な使用方法
  6. デザインのベストプラクティス
  7. トラブルシューティング
  8. まとめ

Figma MCPとは何か

Figma MCPは、Model Context Protocol(MCP)を使用してFigmaのデザインデータをAI開発ツールに提供する統合機能です。2024年12月にベータ版として発表され、デザインと開発の間のギャップを埋める画期的なソリューションとして注目を集めています。

主な特徴

  1. デザインコンテキストの直接アクセス

    • Figmaのデザインデータをリアルタイムで取得
    • レイヤー構造、スタイル情報、コンポーネント定義を完全に理解
  2. AI支援によるコード生成

    • デザインに基づいたReactやTailwind CSSコードを自動生成
    • デザイントークンやコンポーネント構造を正確に反映
  3. 開発ワークフローの統合

    • VS Code、Cursor、Windsurf、Claude Codeなどの主要ツールに対応
    • デザインの選択やURLから直接コード生成を開始

MCPアーキテクチャの理解

MCPは「AIのUSB-C」とも呼ばれ、AI システムと外部ツールを接続する標準プロトコルです。

graph TB
    subgraph "開発環境"
        A[Claude Code/Cursor] --> B[MCP Client]
    end
    
    subgraph "MCP Layer"
        B --> C[MCP Host]
        C --> D[MCP Server]
    end
    
    subgraph "外部システム"
        D --> E[Figma API]
        E --> F[デザインデータ]
    end
    
    style A fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:2px
    style E fill:#9f9,stroke:#333,stroke-width:2px

3つの主要コンポーネント

  1. MCP Host

    • クライアントとサーバー間の通信を管理
    • パーミッションとセキュリティを制御
    • Claude DesktopやVS Codeなどがホストとして機能
  2. MCP Client

    • サーバーとの接続を確立・維持
    • LLMとサーバー間のリクエスト/レスポンスを仲介
    • 1つのクライアントが1つのサーバーに対応
  3. MCP Server

    • 外部システム(Figma)に直接接続
    • デザインデータをLLMが理解できる形式に変換
    • SSE(Server-Sent Events)プロトコルで通信

環境準備と前提条件

必要な環境

  1. Figmaデスクトップアプリ

    • Web版では使用不可
    • 最新バージョンにアップデート
  2. 対応する開発ツール

    • Claude Code
    • VS Code(Copilot拡張機能)
    • Cursor
    • Windsurf
  3. Node.js環境

    • Node.js 18以上
    • npm または pnpm

インストール確認

# Node.jsバージョン確認
node --version
# v18.0.0以上であることを確認

# Figmaデスクトップアプリの確認
# アプリケーションフォルダでFigma.appを確認

Figma MCPの設定手順

Claude Codeでの設定

  1. 設定ファイルの作成
# Claude Code設定ディレクトリに移動
cd ~/Library/Application\ Support/Claude

# claude_desktop_config.jsonを編集
  1. MCP設定の追加
{
  "mcpServers": {
    "figma": {
      "command": "sse",
      "args": ["http://localhost:3845/sse"],
      "env": {},
      "disabled": false
    }
  }
}

Cursorでの設定

  1. Cursor設定を開く

    • Cmd+Shift+P → “Cursor: Settings”
  2. MCP設定を追加

{
  "mcp": {
    "servers": {
      "figma": {
        "type": "sse",
        "url": "http://localhost:3845/sse"
      }
    }
  }
}

Figmaデスクトップアプリの設定

  1. Dev Modeを有効化

    • Figmaでデザインファイルを開く
    • 右上の”Dev Mode”トグルをON
  2. MCPサーバーの起動確認

    • Figmaアプリが自動的にローカルサーバーを起動
    • ポート3845でSSE接続を待機

実践的な使用方法

方法1: Figma内での選択から生成

sequenceDiagram
    participant User
    participant Figma
    participant MCP
    participant Claude
    
    User->>Figma: フレームを選択
    User->>Claude: "選択したデザインを実装して"
    Claude->>MCP: デザイン情報をリクエスト
    MCP->>Figma: 選択されたフレームのデータ取得
    Figma-->>MCP: デザインデータ(JSON)
    MCP-->>Claude: 構造化されたデザイン情報
    Claude-->>User: 生成されたコード

実行例:

// Claudeへのプロンプト例
"選択したカードコンポーネントをReactとTailwind CSSで実装してください"

// 生成されるコード例
export function ProductCard({ title, price, image }) {
  return (
    <div className="rounded-lg shadow-md bg-white p-4 hover:shadow-lg transition-shadow">
      <img 
        src={image} 
        alt={title}
        className="w-full h-48 object-cover rounded-md mb-4"
      />
      <h3 className="text-lg font-semibold text-gray-900 mb-2">
        {title}
      </h3>
      <p className="text-xl font-bold text-blue-600">
        ¥{price.toLocaleString()}
      </p>
    </div>
  );
}

方法2: FigmaリンクからのURL指定

# FigmaでフレームのURLをコピー
# 例: https://www.figma.com/file/xxxxx/Design-System?node-id=123:456

# Claudeへのプロンプト
"このFigmaデザインを実装してください: [URL]"

MCPが提供するデザイン情報

MCPサーバーは以下の情報をAIツールに提供します:

  1. 視覚的情報

    • レイヤー構造とネスト関係
    • 位置、サイズ、余白の情報
    • 色、フォント、影などのスタイル
  2. セマンティック情報

    • レイヤー名とテキストコンテンツ
    • コンポーネント定義と変数
    • Auto Layoutの設定
  3. コード生成ヒント

    • Code Connect情報(設定されている場合)
    • デザイントークンとの関連付け
    • レスポンシブ設定の意図

デザインのベストプラクティス

1. コンポーネントの活用

✅ 良い例:
- ButtonPrimary (コンポーネント)
- CardContainer (コンポーネント)
- InputField (コンポーネント)

❌ 悪い例:
- Rectangle 12
- Group 5
- Frame 123

2. セマンティックな命名

✅ 推奨される命名:
- NavigationHeader
- ProductCardGrid
- UserProfileSection

❌ 避けるべき命名:
- Frame 1
- Group Copy 2
- Rectangle

3. 変数とトークンの使用

// Figmaの変数設定例
--color-primary: #3B82F6;
--spacing-base: 8px;
--radius-medium: 8px;
--font-size-body: 16px;

4. Auto Layoutの活用

graph TD
    A[Container - Auto Layout] --> B[Header - Fixed Height]
    A --> C[Content - Fill Container]
    A --> D[Footer - Hug Contents]
    
    style A fill:#e1f5fe,stroke:#01579b,stroke-width:2px

5. アノテーションの追加

Dev Resourcesを使用して、デザインの意図を明確に伝える:

  • インタラクションの詳細
  • 状態遷移の説明
  • レスポンシブ時の挙動
  • アクセシビリティ要件

トラブルシューティング

よくある問題と解決法

1. MCPサーバーに接続できない

# ポートが使用されているか確認
lsof -i :3845

# Figmaデスクトップアプリを再起動
# Dev Modeを一度OFFにしてからONに戻す

2. デザイン情報が正しく取得できない

チェックリスト:

  • Figmaデスクトップアプリを使用している
  • Dev Modeが有効になっている
  • フレームまたはレイヤーが選択されている
  • MCPサーバーが起動している(localhost:3845)

3. 生成されたコードがデザインと異なる

改善方法:

  1. レイヤー名を具体的に設定
  2. Auto Layoutを適切に使用
  3. 変数とトークンを定義
  4. Code Connectを設定(可能な場合)

パフォーマンス最適化

  1. 大規模ファイルの処理

    • 必要な部分のみを選択
    • コンポーネントを分割して管理
  2. キャッシュの活用

    • 頻繁に使用するデザインはコンポーネント化
    • 生成されたコードをテンプレートとして保存

まとめ

Figma MCPは、デザインと開発の間の溝を埋める革新的なツールです。主なメリットとして:

  1. 開発時間の削減: デザインからコードへの変換時間を60-70%短縮
  2. 一貫性の向上: デザインシステムに忠実なコード生成
  3. コラボレーション強化: デザイナーと開発者の共通言語

今後の展望

  • より多くのフレームワークへの対応
  • デザインシステムとの深い統合
  • リアルタイムコラボレーション機能

Figma MCPを活用することで、AIアシスタントがデザインの意図を正確に理解し、品質の高いコードを生成できるようになります。これにより、開発者はより創造的な作業に集中でき、プロダクトの品質向上につながります。

参考リンク